相続手続きに必要な物
- 遺言書:封のある遺言書は開封せず、家庭裁判所の検認を受けます(公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認不要)。遺言書の保管者や発見した相続人は、遅滞なく家庭裁判所に提出する必要があります。
- 不動産の権利証(登記識別情報)・固定資産税の納税通知書:相続登記の申請に使います。相続登記は2024年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内に申請が必要です。
- 通帳・キャッシュカード・証券会社や年金からの通知書:相続財産の把握と、相続税の申告(死亡を知った日の翌日から10か月以内)に使います。
- 印鑑・印鑑登録証:実印は手続きに使う場合があります。
- 借入・ローン・保証の書類、督促状:負債も相続の対象です。相続放棄(3か月以内)を判断する材料になります。
- 保険証券・共済の書類:死亡保険金の請求に必要です。
解約・請求・返却に必要な物
- 公共料金・携帯電話・インターネット・サブスクリプションの明細や契約書(解約手続きに使います)
- 年金手帳・健康保険証・介護保険証・マイナンバーカード・運転免許証・パスポート(返納・資格喪失の手続きに使います)
- クレジットカード・ポイントカード(解約と、未払い分の確認)
- 賃貸借契約書・駐車場契約書(解約と敷金精算)
- レンタル品・リース品(介護ベッド、Wi-Fiルーター、ウォーターサーバーなど。返却が必要です)
- 鍵(家・車・金庫・貸金庫・実家の合鍵)
思い出の品・価値がある可能性のある物
- 写真・アルバム・手紙・日記・年賀状(住所録として、訃報の連絡にも使います)
- 貴金属・時計・ブランド品・骨董品・美術品・着物・切手・古銭(買取査定の対象。詳しくは遺品買取・査定ガイド)
- 仏壇・仏具・位牌・遺影(処分する場合は供養をご案内できます)
- 趣味の道具(カメラ・楽器・釣具・工具・コレクション)
- スマートフォン・パソコン・外付けHDD(写真やデータ、ネット銀行・証券の口座情報が入っていることがあります)
迷ったら
判断に時間がかかる物は「保留」の箱を作って残し、作業が終わってから落ち着いて決めるのが確実です。あつまる君では、通帳・印鑑・重要書類を見つけた場合は作業を止めてご依頼者さまに確認してから進めます。
スマートフォン・パソコンなどのデジタル遺品
スマートフォンやパソコンには、写真だけでなく、ネット銀行・ネット証券・電子マネー・サブスクリプションの契約情報が入っていることがあります。端末を処分する前に、次の点を確認してください。
- ロック解除の方法(家族が把握していない場合は、契約している通信会社やメーカーの窓口に相談)
- ネット銀行・証券・暗号資産の口座の有無(メールや通知、アプリのアイコンから確認)
- 継続課金しているサービス(解約しないと引き落としが続きます)
- 写真・動画のバックアップ(クラウドに保存されている場合もあります)
端末は初期化・データ消去をしてから処分します。パソコンはメーカー回収か自治体の小型家電回収の対象です。
処分に手続きが必要な物
- 家電リサイクル法の対象品(テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機・エアコン):粗大ごみに出せません。リサイクル料金を払って引き渡します。
- パソコン:メーカー回収または自治体の小型家電回収。データの消去も必要です。
- 消火器・ガスボンベ・灯油・塗料・バッテリー:自治体では回収できないことが多く、専門の回収先があります。
- 仏壇・神棚:処分前に供養(魂抜き・閉眼供養)を行う考え方があります。
- 車・バイク:名義変更または抹消登録が必要です。
あつまる君では、リサイクル家電や処理困難物は見積り時に別途費用としてご説明し、一般廃棄物は一般廃棄物収集運搬業の許可業者と提携して適正に処理しています。
処分してしまった場合の再発行・再取得
| 物 | 再発行・再取得の可否 | 窓口 |
|---|---|---|
| 通帳・キャッシュカード | 可(相続手続きの中で残高証明・取引履歴を取得) | 各金融機関 |
| 保険証券 | 可(契約照会・再発行) | 各保険会社 |
| 固定資産税の納税通知書 | 可(課税明細・評価証明書を取得) | 市区町村 |
| 不動産の権利証(登記識別情報) | 再発行不可。ただし相続登記には原則不要 | 法務局・司法書士に相談 |
| 年金手帳・年金関係書類 | 可(基礎年金番号で照会) | 年金事務所 |
| 遺言書 | 公正証書遺言は公証役場で検索・謄本請求が可能。法務局保管の自筆証書遺言も照会可能。手書きで自宅保管のものは再取得不可 | 公証役場・法務局 |
多くの書類は再発行できますが、時間と手数料がかかります。手書きの遺言書や写真・手紙は再取得できないため、処分前の確認が何より重要です。
形見分けの進め方
- 家族・親族の間で「誰が何を引き取るか」を先に話し合う(貴金属や骨董品など価値のある物は相続財産にあたる場合があるため、勝手に持ち出さない)。
- 引き取る物、供養する物、査定に出す物、処分する物の4つに分ける。
- 判断に迷う物は「保留」の箱に入れ、作業後に落ち着いて決める。
- 写真・アルバムはデータ化して共有する方法もあります。
作業当日に手元に置いておく物
業者に依頼する日は、次の物を先に取り分けて、作業する部屋とは別の場所(車の中、持参したバッグなど)に置いておくと安心です。
- 通帳・印鑑・キャッシュカード・現金
- 遺言書・権利証・保険証券などの重要書類
- 鍵(家・車・金庫)
- 形見として残すと決めた物、査定に出す貴金属
- スマートフォン・パソコンなどの端末
取り分ける時間がない場合は、「この部屋(この棚)は触らない」と作業前に伝えていただければ、その範囲を除いて作業します。
見落としを防ぐ確認の進め方
- 家中の「紙」を先に集める:引き出し、仏壇の引き出し、タンスの上、本の間、冷蔵庫の扉、玄関の棚は書類が入りやすい場所です。
- 封筒・箱・バッグ・衣類のポケットの中身を確認してから処分する。
- 通帳・印鑑・鍵は一か所にまとめ、家族の誰が管理するかを決める。
- 業者に依頼する場合は、残す物の一覧を作業前に共有し、見つかった貴重品は作業を止めて確認してもらう約束をする。
遺品整理の全体の流れは遺品整理 完全ガイド、始める時期の目安は遺品整理はいつから始める?をご覧ください。
参考・出典
- 裁判所「遺言書の検認」
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度」
- 法務省「相続登記の申請義務化(令和6年4月1日開始)」
- 国税庁 タックスアンサー No.4205「相続税の申告と納税」
- 裁判所「相続の放棄の申述」
※法律・税務の手続きは個別の事情で異なります。相続や税金については司法書士・税理士などの専門家にご確認ください。
